採用面接で、「こうすれば絶対に受かる」「採用率100%の面接テクニック」というものは、残念ながらありません。
典型的な質疑応答の対策や、よくあるケースを想定したマニュアルなどはあっても、それが通用するかどうかは、実際の面接の場に行ってみないとわからないのです。
面接は、人と人とが相対する場所。人間同士のコミュニケーションであるからには、そこには採用判定のための評価基準があり、さらにもう一つ、「好きか/嫌いか」という感情も生まれてきます。
おそらく、面接官に嫌われた人が採用されることは、ありません。
今回は、大事な面接の場で嫌われないためにはどうするか、5つのポイントから解説していきます。
Contents
面接で嫌われないためのポイント5項目
限りある時間の中で、面接官に良い印象を与えるためには何に気をつけ、どう発言すれば良いのか。
以下にまとめてみました。
1.相手の話は最後まで聞き、目で訴えること
相手からの質問に対して、話を最後まで聞くことなく、途中で話し始めてしまったり、要領の得ない答えをしゃべってしまって自分でも戸惑うことがあります。
すべては、相手の話をしっかりと最後まで聞いていないことに起因します。話がよく飲み込めず、「もう一回お願いします」などと聞き直すことも、面接時にはマイナスポイントになります。
話を聞く時は全身全霊で(大げさではなく、そのくらいの集中力で)聞き、話している相手の顔をまっすぐ見つめるのも重要です。「目」でも聞いていることをアピールするのです。
にらみつけるような険しい視線ではなくてもいいですが、一つ一つの内容にまっすぐ耳を傾け、内容を噛み砕きながら聞き込んでいけば、的外れな回答をすることもなくなります。
聞き上手な人は、コミュニケーションスキルがあると評価されます。
2.質問には素直に誠実に答えること
面接官の質問には、いろんな意図が含まれています。ストレートな物言いや、変化球のようなひねくれた質問など、あの手この手で応募者の本音・本心を見極めようとしているのです。
それに対して、基本的には素直な気持ちで、自分が考えていること・自分自身のことを誠実に語ることが第一です。
時々、明らかに失礼だと思われる質問を投げかけられる場合もありますが、それも面接戦術の一つです。失礼な問いかけであろうと決して怒らず、冷静に客観的に、切り返すのが成功のコツ。
思わずキレてしまいそうになっても、一旦深呼吸するなどして落ち着いてから、スマートな回答を心がけましょう。
3.自分の言葉で語ること
何十、何百という応募者と同じような、マニュアルどおりの回答をしてみても、面接官の心象は「またか…」と思うばかりで好印象は与えられません。
マニュアルや面接攻略本を参考にするのはアリですが、他の応募者も全員それを読んでいると思えば、どんな答えを返せばいいかも変わってきます。
典型的な答えを踏まえた上で、自分ならではのオリジナルな内容をどれくらいプラスできるか。具体的な体験や、自分なりの論理を整理しておき、本番で的確に答えられるようトレーニングしておくことも大切です。
「誰にでも聞いている質問」であるほど、他の人たちと差別化できる答えを出せるのだと考えましょう。
4.ハキハキとわかりやすく話すこと
もごもごと何を話しているのかわからない人より、ハキハキと聞き取りやすい声で話す人の方が好印象であることは、明らかです。
面接官に「え?よく聞こえませんでしたが…」と聞き返されてしまっては、いくらいい内容でもアピール度は半減してしまいます。
いつもは小さな声の人でも、せめて面接の時だけは明快な受け答えができるよう練習しておきましょう。
基本は、発声練習です。自分の名前「山田太郎です」、挨拶の例「よろしくお願いいたします」「ありがとうございました」、回答の例「私の長所は、○○○○です」といった短い文章を、何度も繰り返し練習しておきましょう。
語尾まではっきりと話せるようにしておけば、本番でもスムーズに自分の意見を述べられるようになります。
5.面接官に好感を持つこと
この人は苦手だな、嫌な人だな…と思ってしまうと、自然と口調もよそよそしくなったり、変に媚びた感じになったりと、無理が出てきてしまいがち。
たとえ第一印象でマイナスなイメージを相手に抱いたとしても、それを反転させ、「この人はきっといい人だ」「厳しい口調だけど真剣に向き合ってくれているのだ」と、相手に感謝や好意の気持ちを抱くように心がけましょう。
これができるかどうかが、実は面接の成功を左右する大きな要素でもあるのです。
そもそも、自分のために面接時間を設けてくれているのです。まずは感謝の気持ちを抱きつつ、面接の時間を精一杯頑張るという姿勢を見せていきましょう。
経験やスキルがあっても嫌われたら終わり
接客や営業などの対人スキルがない人ほど、つい相手に嫌われるような言動をしてしまう、と思われがちですが、実はそれなりにキャリアを持っている人でも落とし穴はあるものです。
面接の場で、いつもの営業スタイルのように、慣れきった雰囲気や横柄な態度を取ってしまわないよう、注意が必要です。
面接官は、応募者のキャリアやスキルをチェックするのと併せて、「本気度」「必死さ」も見ています。たどたどしいながらも自分の言葉で自らのセールスポイントを伝えようと必死になっているライバルがいたとしたら、最悪の場合、「あまり真剣味が見られない」「誠実な印象は伝わってこない」といった評価を受ける可能性もなきにしもあらず、なのです。
いかなる面接でも、面接官に媚びる必要はありませんが、自分を過度に誇示したりあまりにリラックスし過ぎる態度は慎むようにしなければなりません。求められるのは、ひたむきな姿勢や真摯な態度です。
好かれるも、嫌われるも、当人の心がけ一つで大きく変わってきます。面接という独特な雰囲気の中で自分を見失ってしまわないよう、気をつけて臨むようにしましょう。