新卒の就職戦線はおおむね売り手市場が続いています。
一方で40代以上の中高年世代の転職戦線は、なかなか厳しい状況となっています。
頑張って何十社も応募書類を送っているけど、書類選考でハネられてしまう…という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、「書類選考をクリアする方法」というのは確かにあるのです。もちろん、40代・50代でもそれは当てはまります。
今回は、多くのライバルの中から書類選考を勝ち抜いて次の面接ステップへと進める、効果的な応募書類の作成方法について解説していきます。
応募書類が書類選考を通らない理由
今の時代、書店に行けば転職成功の秘訣を記した書籍がずらりと並び、少しネットを検索してみれば転職のコツを並べたサイトがとてもたくさん出てきます。
それほどまでに「効果的だ」と思われる情報があふれているのに、どうして書類選考「すら」通過しないのか。
実は答えはその問い自体に隠れています。情報が「あふれ過ぎている」という状況で、誰もが同じような情報を鵜呑みにして通り一遍な書類づくりをしてしまっているから、ライバルたちとの差別化ができないのです。
人事を専門に担当している人であれば、転職希望者がチェックしそうな情報などはだいたい把握していることでしょう。
「普通に」マニュアル通りのアピール例を書いている人は星の数ほどいる。ほとんど代わり映えがなく、結果として全員が落とされてしまうことになるわけです。
「いやしかし、私の経歴や実績をじっくり見てもらえれば、必ず有能な人材だとわかってもらえるはず」
そう考えている方も多いかもしれません。しかし、実際の書類選考はそこまで熟読されることはないのです。
人気企業で応募者が多数になればなるほど、最初の書類選考を担当するのは、人事を左右する社員ではない可能性が高いです。
ほぼ機械的に書類をさばいていくので、重厚な経歴や輝かしい実績の数々は、ほとんど注目されません。
機械的作業で最初にチェックされるのは、
公にはできないものの、企業によって「◯才まで」と基準がある場合も。
企業によって◯回まで、と基準がある場合も。
一通り揃っているか(一つでも欠けていればアウト、送り状の有無も)。
きちんと押されているか(常識はあるか、忘れっぽくないか)。
これらの基本的な条件のみで分類されていってしまうのです。もちろん、すべての企業がそうというわけではありませんが…
じっくり読んでもらえば大丈夫、などという甘い考えはこの際捨てておくべきです。
では、年齢がオーバーしていそうな中高年や、何度も転職を繰り返してきた人はどうすれば良いのでしょうか?
マイナス条件をクリアするためのたった一つの方法は、それ以外の「勝てるポイント」で勝負できるように持っていくことです。
勝てるポイントで勝負するために、イレギュラーな方法でチャレンジすることなのです。
ルールを無視して丹精込めた応募書類を提出する
本当にその企業に関心があり、どうしても入社したいという思いが強いのであれば、やるべきことは一つです。
それは、応募書類を提出すること。
もちろん、ただ単に応募要項や条件に沿った書類を、皆と同じように提出するわけではありません。
すべての応募条件を無視して、熱意のこもった応募書類を作成し、人事に直接送付するのです。
この場合は郵送が効果的です。近年はWeb応募が増えていますが、Webでは応募フォーマットが固定していて、ルール無視ができなくなっています。
応募方法までも無視して、とにかく自分の良い点を最大限伝えきるような策を取る、ということです。
これまで多くの企業で書類が通らなかった人が、今まで通りの書類を送ったところで、これは!と思う企業だけが奇跡的に書類選考を通してくれるようなことなど、絶対に起こりません。
とにかく面接までたどり着き実際に自分という人間を見てもらうために、どんな手段を使ってでも書類選考を通過しなければならないのです。
一般的な応募の条件、年齢・学歴・その仕事の経験・資格の有無・英語のスキルなど、一切を無視してしまいましょう。
他の応募者たちとはまったく違う方法で、異彩を放つ書類を郵送する。
そうすると、機械的に書類を分別するだけの一般社員では判断がつきかねる事態となります。その書類を見た時、ルールから外れているからといって簡単に排除できないような、特別な要素を記載しておけば、その社員は上長に相談することになります。
まずは、その流れを目指して書類を作成するのです。
ルール無視の書類の作成方法
ルールを無視して人事の心を揺さぶるためには、以下の書類を用意します。
・履歴書
・職務経歴書
ここまでは普通の応募書類と同様です。間違いなく、丁寧に作成すれば大丈夫です。
ただし、後に紹介する「自己PR文」と矛盾がないように調整しておきましょう。
重要となるのは、次の2点です。
・推薦状
自己PR文は、その名の通り、自分の一番得意なところをアピールするもの…と考えては大間違いです。
自己PR文で書くべきことは、あなたがその企業にとってどのように貢献できるか、あなたを採用するとどんなメリットがあるか、です。
そのためには、あくまで実体験がベースにはなりますが、自分なりの経験や実績を、その企業のメリット:すなわち「売上アップ」「新規市場開拓」などといったポイントに結びつける必要があります。
「貴社に採用となりましたら、私は○○の経験を基に、売上の倍増に貢献できると自負しています」
「そうした実績をこれまでも充分に積み上げており、いくつものノウハウも持っています」
「まずは面接の機会をいただき、私の自負するところをつぶさに確かめていただきたく存じます」
というストーリーが一例です。
自分のPRポイントの自慢だけにとどまらず、あくまで応募企業のメリットに結びつくというところまで言及するのです。
それを実践するために、応募企業の研究や、今回の採用目的(どんな人材を募集しているか、どんな職種・ポストの採用か)を完全に把握しておくことは大前提です。
また、推薦状はいわばダメ押し的な位置づけになります。
地元の名士や国会議員・地方議員などに依頼できればいいですが、なかなかそうもいかない場合は、前職の上司や知人などでもOKです。
推薦文の中に人柄の良さや前向きな姿勢など、自分にとっての有利となるポイントを(この際ですので)書いてもらえるようにお願いしておくのもいいでしょう。
推薦状を同封する人はなかなかいません。推薦状だけで書類選考が通過するのはよほどの大物の推薦になりそうですが、横並びから一歩抜け出す際の武器になることは確かです。
一考しておいて損はありません。
イレギュラーな方法ではありますが、今まで通りのことをやっていて成果が上がらなければ、頃合いを見て別の方法をとらなければ時間のムダです。
本当は、何十社も落ちる前にすべきことがある
イレギュラーな方法を駆使してでも、どうにかして面接までたどり着きたい…
という切なる願いは痛いほどわかります。
しかし、本当は、そういった状況になる前に、もっと効率的な転職方法を考えるべきです。
効率的な方法とは、「転職のプロ」に有効なやり方を教えてもらうこと。すなわち、転職エージェントの活用です。
これまで何十回も書類選考さえ通らなかったという人は、おそらく転職エージェントを活用していない人でしょう。
エージェントのキャリアアドバイザーがいれば、採用の可能性が薄い企業への応募には、ある程度ブレーキをかけてくれます。
無謀なやり方でいたずらに時間を浪費してしまわないよう、本当に効率良く効果的なやり方を選択できるよう、的確なアドバイスをすることが、彼らアドバイザーの仕事だからです。
いつまでたっても受からない。上手なやり方がわからない。そんな悩みを一人で抱えていても時間のムダ。すなわち、人生のムダです。
信頼できるパートナーと一緒に、今の悪い状況から抜け出すことが重要なのです。
悩む時間があるのなら、一刻も早く転職エージェントに登録し、その悩み自体を相談してみるべきです。
転職エージェントについて、こちらの記事も参考にしてください。