「オッサンも変わる。ニッポンも変わる。」
2017年、そんな刺激的なコピーの広告で、森下仁丹が40〜50代を中心とした中高年世代の中途採用を行いました。
訴求していたのは「第四新卒」。新卒、第二新卒(20代)、第三新卒(院博士卒未就労)と来て、第四新卒とは、社会人としてのキャリアが充分あり、なお今も仕事への情熱を失うことなく新たなキャリアへ挑む人、だそう。
年代に関係なく募集していることのことですが、広告でアピールしている通り、40代・50代の中高年への訴求狙いが前面に打ち出されています。
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50代の転職市場では高スペックな人材募集が増加している
話題となった森下仁丹を例に挙げるまでもなく、50代の転職市場は広がりを見せています。
50代といえば、相当のキャリアを積み上げてきて、そのまま今の会社で勤め上げれば安定した将来・老後がある程度は約束されているはず…
しかしそれでも転職に踏み出し、そして転職を成功させている人たちは、自分が蓄えてきた高い専門性を武器に、さらに新たなステージへと挑戦する意思を持っています。
転職をする側の意欲的な高スペック50代が増えているのは、紛れもなく、そうした人材を求める企業が増えているからに他なりません。
特に、成長著しいIT業界では、中心となる経営陣の年代が総じて若いのが特徴。若い世代のスタッフは業務スキルは優秀ではあるものの、社会的な知見や人脈に乏しい傾向があります。
そのため、ある程度のキャリアを備えた50代を招き入れるケースが多くなっているのです。総務・人事畑の人材が重宝されています。
仮に同じ会社にい続けたなら、50代は徐々に最前線からは離れていく年代でしょう。
若手や中堅社員からすれば、目の上のたんこぶ的な扱いを受けていることもあるかもしれません。
今までのキャリアがどれだけ華々しいものであろうと、同じ場所で咲き続けるかぎりはそれ以上輝くことは困難な状況になっているのです。
いくつになっても前向きな人は、そんな状況を打破するために、ポーン!と外へと飛び出します。
自分が一番求められている場所へ、今からでも最高に活躍できて充実できるポジションへと、フレキシブルに動いていける。
そんな軽快なフットワークや、いつでも変われるという意識を持った人こそが、これからの時代を生き抜けるのです。
現場感を持っている人が生き残れる時代
ひとつの会社で地道にキャリアを重ね続け、年齢とともに地位や報酬が右肩上がりに上昇していく時代はとうに終わっています。
若い頃は現場の最前線で働いて実績を残してきた人が、時を経て管理職・経営層へと立場を変えていくという、典型的な昇進スタイルでさえも変化しています。
もちろん若手を育てて次代を担わせることは必要です。ただ、何もかもを彼らに託して自分は手を動かさないでいると、どんどん時代に取り残されてしまう。
今、どんな業界でも求められている40代・50代は、実際に現場の動き方を把握していて、知識と経験でうまく立ち振る舞いながら、新しい経験も貪欲に吸収している人です。
まさに進化を止めないスーパーマンのような存在です。
時代のパラダイムシフトを上手に取り入れ、現場での働き方を自らの楽しみにも昇華させてしまえるような、若々しくも頼もしい中高年世代こそが、若手としのぎを競い合いながらまだまだ頑張り続ける。
少子高齢化、AI・省人化がますます進む今日において、そういったアクティブな働き方こそが、これからの40代・50代が思い描く理想の仕事スタイルになるのです。
50代ならではのキャリアを活かす転職へ
40代・50代が持っているキャリアとは、当然、現場で積み上げてきた経験値だけではありません。
その道を一貫してやってきた人であれば、工程の下流から上流へと仕事の役割が変わっていく一連の流れを、すべて把握できています。
さらにそれを俯瞰で見つつ、全体をコーディネイト、コントロールできるスキルも携えています。
現場での経験をきちんと積んだ上で、全体のディレクションができる人材は貴重です。
最初から促成栽培でディレクション業務(管理業務)を仰せつかった人もいます。彼らは、経験に裏打ちされていない仕事をせざるを得なかったため、言葉や行動にリアリティが少なく、本来進むべき方向性を間違えることもあります。
その点、土台から着実に積み上げてきた人は、それ自体が財産となって、応用が利き、変化球的なオーダーにも対応できる懐の広さも装備できているのです。
また、そうした一連のトータルコーディネイト力は、異なる業界・業種に移ったとしても充分活かせるものです。
ある業界での基本スキルが、別の業界では既存の価値観を壊して新しい基準となる。そうしたケースも珍しくないのです。
今までとは違うフィールドへの進出をためらうことはありません。
今ある武器に磨きをかけて、新しい地図を拡げる時に備えておきましょう。
40代・50代の転職を成功させるために転職のプロに相談を
自分のキャリアやスキルを冷静に見極め、どんな業界・職種へと移行できるかを判断するには、その道のプロに一任するのも一つの手です。
転職は非常にパワーが必要です。それが日常生活や現状の業務になるべく負担とならないようにするのも、大事なリスク回避策です。
そのため、転職のプロである転職エージェントを活用することが重要となってきます。
今の自分に最適なポジションや雇用条件をマッチングさせてくれる存在は、これからの活動の頼もしいパートナーとなってくれます。
参考:転職が初めての人こそ上手に活用したい。転職エージェントは採用までの頼れるパートナー
先に紹介した森下仁丹では、社長自らが外部からの異分子となっていて、それまでの既定路線で尻すぼみだった同社に革新的な新風をもたらしました。
そういった下地があってこその、今回の「チャレンジャブルな第四新卒募集」となっています。
そしてこれからは、こういった形での中高年の人材採用はますます増えてくることが予想されます。
来るべき時に備えて牙を研ぎ、英気を養いながら、現場での臨場感を忘れることなく日々を過ごしていきたいですね。