何事も自分一人の意思や判断で会社のかじ取りを進めてしまうワンマン社長という存在。
社員にしてみれば厄介きわまりないもので、常に社長の意見をうかがって生きなければならない風潮が社内に蔓延してしまいます。
ワンマン社長のツルの一声で全てが決まる。そういった会社は、中小企業・同族企業によく見られがち。
社長の影響が業務遂行にも及ぶ(それも悪い意味で及んでしまう)のであれば、その会社にいること自体があなたの人生のリスクになってしまいます。
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本当にワンマン社長が嫌ならすぐ辞めるべき。人生がもったいない
さんざんチーム内で検討し合って進み出し、ゴールが見えてきたプロジェクトが、社長の一声でひっくり返される。
朝イチで出された無理めなオーダーに必死で対応していたら、昼過ぎにあっさりと「さっきのは無しだ」と言われる。
社員を好き嫌いで切り分けて、自分の気にいらない者がどれだけ利益を出そうが正当な評価をしない。
どれもワンマン社長、ワンマン企業にありがちなことです。
中でも社員にとって何よりもキツイのは、自分の頑張りや業績自体が正当に評価されないこと。限りある時間の多くをその会社のために使っているのに、まったく見当ちがいな扱いをされるばかりでは、モチベーションもへったくれもありません。
見切りのタイミングを誤ると、さらに無意味な時間ばかりに縛られることになります。
ワンマン経営に耐えられない、勝手ばかりの社長の顔色をうかがうのはもうたくさんだ、と思う気持ちが危険水域を超えたなら、すぐに退職のための行動をとるべきです。
その際は、周りへの影響や気遣いよりも、まずは自分自身のことを最優先に考えることです。自分が壊れてしまっては元も子もありません。
ワンマン社長のいる環境から脱出することで、すべてが好転することはよくあるのです。
なぜ「ワンマン」なのか?理由を知れば対策が取れる
強力な自信がすべての根源
ワンマン社長には、時に強引なまでの経営手法で会社を大きく成長させた実績を持っているケースがあります。自分一人の力だったのか、周りの協力があったのか、後からそれを正確に把握することはできないでしょうが、そうした実績に裏打ちされた自信が、ワンマンを加速させていることはあり得ます。
その手法が通用した当時ならまだしも、変化の激しい現代で、いつまでも過去の栄光にすがっているようでは先がありません。
その尊大な自信を砕く、というよりは、利用するのが賢いやり方。すべて社長ありき、で考えることで、本人に当事者であることを意識させます。その上で業務をすすめ、出た結果が良いものにしろ悪いものにしろ、すべて社長ありきの結果であったと提示する。自信がある人ほど、自己否定はできません。その結果が会社にとってそんな影響があるかわかりませんが、少なくとも社長の逆鱗にふれることはなくなります。
自分以外はすべて無能
自信過剰なワンマン社長は、部下や他人に対しても常に上から目線です。自分以外はすべて自分よりも出来がわるい、圧倒的に自分の方が優れていると信じ込み、その確信は長年のワンマン経営で揺るぎないものになっているでしょう。
それを覆すには、上記とはまったく別軸でのアイデアが生きてきます。
完全に社長抜きのプロジェクトを進め、とにかく実績を積み上げて、会社の基軸になるくらいのボリュームまで育てるのです。それを排除することは会社の経営を左右することにもつながるので、育った時点で社長は大きなことは言えなくなります。
ただ、大きく育った途端に社長自らのトップダウン事業へとすりかえられる(強奪される)ことはあるでしょう。育てた張本人が真っ当に評価されない時は、もう潮時です。
同族経営でイエスマンばかり
経営に関わる一族の絆は、「利益の独占分配」というただ一点のみでつながっています。誰でもおこぼれに預かりたいのはやまやまなので、社長をはじめとする一族の人(多くは役員でしょう)に擦り寄り、媚びへつらうことでしょう。
そこに上手く取りいるには、イエスマンを超える存在になることが必要です。基本的には社長の言うことは全肯定。その上で、プラスアルファのメリットなり付加価値なりを作り出して、そのプラスの部分だけは自分の功績であることを認めてもらうのです。
概念的な話になっていますが、ワンマンである人は自分の言いなりになっている部下には気を許すことが多くなります。その心理を上手に利用して、「自分はイエスマンの中でもできる奴」という立ち位置を確立していくのです。
プライドを捨てる覚悟も伴う処世術ですが、その会社で生きていくためならそのくらいは受け入れるべきでしょう。
ワンマン社長に気に入られれば天国と言えるか?
上記でも述べていますが、ワンマン社長は他人を判断する基準が「好き・嫌い」であるケースが非常に多いです。好き嫌いの理由は、よく働くからとか、イエスマンだからだとか、逆に自分に楯突いてばかりとか、いろいろありますが、最終的には客観的な判断ではなく、主観的な線引きで決めてしまいます。
ならば、本心はともかくとして、その会社の中では完全に社長に好かれるような振る舞いに終始する方が、何かと生きていきやすいのではないか?と思うことでしょう。おそらくそうした方が待遇は良くなり、出世への道も開かれてくる確率は上がるかもしれません。
しかし、それはすべて、その会社の中だけという極々小さな世界での話に過ぎません。その会社での常識は、外界での非常識であることの方が多いでしょう。
また社長はともかく、いつも一緒に働く仲間・同僚たちから見たら、逆に反感を買うことになりかねません。多くの場合、ワンマン社長は敵も多いはずです。
そうした板挟みの状態でも、平静を保ちつつ、日々の仕事に邁進できるような吹っ切れたメンタルの持ち主であれば、その会社は天国にもなるでしょう。
そうではなく、冷静で客観的な価値基準を持ち、自分の未来を自分自身の力で切り開いていきたい、そのための実になる失敗を繰り返してでも成長していきたい。そう考える人にとっては、そこは地獄のような苦しみしかない場所なのです。
ワンマン社長の会社は、明日も頑張ろうと思える会社か?
我慢強い人には2通りあります。
1つは、自分自身の「核」となる考え方や思いが確立できていて、そこを守れるのであれば他の要素は何でも受け入れる、耐えられるというタイプ。
もう1つは、最初から苦しむことや痛みを放棄して、何をするにもされるがままに流されることを選んだ、我慢というよりは諦めに特化したタイプです。
2つのタイプ以外の人は、おそらく我慢もそうは続くことなく、どこかのタイミングで離脱していけるでしょう。むしろその方が健全で安全だとも言えます。
見出しにもあるように、その会社で働く自分はどんな考え方を持っているのか?常に自問自答していくことが大事です。特にワンマン社長の元で働く場合、油断するとそのワンマンパワーの強さに自分が丸ごと飲み込まれてしまうこともあります。それも自分が気付かないうちに。
正気を保てる間に、自分の心に問いかけてみてください。あなたの会社は、明日もしっかり働こう、みんなに会って元気に挨拶しよう、そう思える場所でしょうか?
その会社で我慢して働き続けるにせよ、退職・転職をするにせよ、一番大事なのは自分の中の核の部分です。
本当は辞めたいけれど、経済的な理由やしがらみでそう簡単にはいかないかもしれません。
これからの人生、何を一番優先順位の先頭に持ってくるのか。それが決まっていれば、自ずとどうすれば良いかは見えてくるはずです。
ワンマン社長との決別が次へのスタートライン
会社を辞めること、次の仕事へと転職していくことは、いつだってものすごいパワーが必要です。仕事でふらふらに疲れている毎日で、そんなパワーが絞り出せるような環境ではないかもしれません。
それでも、意に沿わない仕事を延々とやらされ続ける疲労感に比べれば、前向きな疲れは救いがあります。それは明日につながる疲労感だからです。
やるべきことをしっかりとやり遂げる。今何をすべきかを常に考えて動く。ネガティブな疲労は、そういった正しい思考回路までも腐らせていきます。
そうなる前に、自分自身で判断し、立ち上がることです。ワンマン社長とその会社にきっぱりと別れを告げることで、想像以上の明るい明日が見えてくるのですから。
ワンマン会社からの転職は、転職エージェントと相談の上で
ワンマン会社に慣れてしまっていると、自分のスキルやキャリアが世間ではどの程度通用するのか、自分の市場価値がまったくわからないという方も多いでしょう。
そんな状態でむやみに求人に応募しても、成功率はなかなか上がりません。転職には効率の良い方法が確実に存在し、それを知っている転職のプロと協力した方が、はるかに成功率が高まるのです。
まずは一度、転職エージェントに相談してみましょう。そこでこれまでの実績とともに、自分の思いの丈をぜんぶ吐き出すのもいいでしょう。これまで溜まりに溜まっていたものがあるはずです。
エージェントのキャリアアドバイザーは、あなたの思いをしっかりと受け止めてくれます。その上で、スキルやキャリアを客観的に判断し、最適な転職先の提案をしてくれます。