大きくなったら美容師になりたいと思っていた。でも今は、美容師を辞めたい自分がいる。
子供の頃に描いた夢を現実のものにしてみたものの、夢と現実のギャップの大きさにとまどっている美容師の方々。
専門学校に通い、資格を取得して、それなりに頑張ってようやくたどり着けた美容師という仕事だから、厳しいけどもう少し続けてみよう…と歯を食いしばっている人も少なくないでしょう。
ただ、人には絶対的な向き・不向きがあります。頑張ろうという気持ちに、体が着いてこないこともある。
そして、限りある時間はどんどん流れていきます。
思い立った時こそが、自分を変えてみるタイミングかもしれません。
これは、美容師からの転職や、別のお店に移るなど、美容師としての自分を変革したい時にぜひ読んでいただきたい記事です。
美容師の仕事の問題点は何か
美容師を辞めたいと思う理由は何なのか。まずはその点を明らかにして、自分の中で整理してはじめて、その先へ進むための対策を講じることができます。
一番の悩みはどういう点か、それは解決できるのかできないのか、想定できる問題点について考えてみます。
収入が少ない・不安定であること
立地の良い繁盛店の店長や、売れっ子のトップスタイリストとなれば1000万円以上の年収を得ることもできます。しかしそれ以外の一般のスタイリストやアシスタントは、やはり収入面での不満・不安が強いです。
28歳で経験7〜8年、一般的なお店のスタイリストで、年収は200〜300万円台ということも珍しくありません。
歩合制も取り入れているお店が多いので、フリーのお客様や指名客をどんどん確保できれば、収入も上がっていくことになりますが、現実はそう上手くはいきません。
集客のための施策(広告や販促など)をまったく行っていないならまだしも、美容院の商圏は限られていて、周辺環境が変わらなければ客数もさほど変化しないという、物理的な要因も大きいです。
収入も年齢とともに上がっていくわけではないので、頭打ちになります。だからといって独立して自分でお店を持つという決断も、現状を考えると二の足を踏んでしまう…という場合が多い。
やりがいはあるし、技術を覚えるのもそれを生かすことも好きだ。
でも、これから生きていくために、将来結婚して家族を持つために、今の延長線上の未来ではどうしても不安しかない。
悩める美容師の方々は、本当に多いと思います。
持ち出しが多いこと
美容院の経営形態は実に様々で、法人か個人経営かでも待遇は大きく変わってきます。
正社員として雇ってもらうことになっても、少ない給料で社会保険は自己負担、というケースもあります。
さらに仕事で使うハサミなどの道具についても、自己負担で購入することがほとんど。特に美容師の命とも言えるハサミは、自分の手先のように扱うためにはそれなりの品を用意しなければならず、一つ数万円〜数十万円というクラスも珍しくありません。
薄給の段階でこうした負担が続くのは本当に苦しい日々を送ることになります。
スキルを向上させ実績を積むための期間とはいえ、他の仕事と比べるとどうしても個人にかかる負担が多い印象が残ってしまいます。
体力的にきつい仕事であること
繁盛している店舗になると、1日じゅう食事の時間も取れずに働きっぱなしで12時間、13時間…というケースもあります。それも頻繁にあり得ます。
もちろん労働基準法違反になりますが、そういったブラックな労働環境を仕方なくこなしている店舗が多いのも事実。
1日12時間の営業時間に、その後のミーティング、自己練習。休日も交代で取れるはずが忙しい時はそれもかなわず、かといって休日手当や残業手当などの支給もない。
体だけでなく、精神的にもどんどん疲労度は積み重なっていきます。
美容師になって3年でおよそ半数近くが辞めていく、というまことしやかな噂もありますが、収入面と合わせて、体力面の問題も大きいと言えます。
将来像が見えにくいこと
美容師に定年はありません。働こうと思えば、環境さえあればいくつになっても働けます。
一定の顧客がついている人であれば、そのお客様と一緒に年を取っていくことで、生涯にわたって美容師という「一職人」としての人生をまっとうできるでしょう。
ただ、先に挙げた収入面の問題や、体力的な厳しさという点で、長い目で見る働き方がしにくいことも確かです。
全員が経営者になれるわけではありません。誰もが独立して自分の店を持てるわけでもないのです。
ずっとそのお店で雇ってもらうにも、終身雇用で年齢とともに給料が上がっていくという保証はありません。むしろ、歩合いで稼げない人は定賃金で頭打ちとなることも十分あり得るのです。
将来はどうなりたいのか。独立するのか、今の店のトップを目指すのか、それともまったく別の道で成功したいのか。
自分の未来のグランドデザインを持つことが、特に大事になってきます。
職場を替わるか、美容師という仕事を変えるか
今の仕事に悩んでいる人は、「美容師という仕事」が辛いのか、それとも「今の仕事環境」が厳しいのかを整理することが重要です。
「美容師という仕事」が辛いのであれば、あまり長く我慢することはかえってマイナスです。
若いうちに新しい転職先(美容師以外の仕事)を探した方が、身体的・精神的・収入面などあらゆる面でメリットは大きいでしょう。
一方で、「今の仕事環境」がどうしても厳しいということなら、お店を替わるという選択肢を考えてみるべきです。
多店舗展開をしている大型店と、個人経営のお店では働き方も学べる内容も、そして待遇も大きく異なります。
どちらがいいかは個人個人違いますが、一つのお店のやり方しか知らないで、美容師という仕事そのものをあきらめるのも悔しいという人もいるでしょう。
お店を替わることは不利ではありません。何よりも自分の状態を健やかに保つため、あるいはさらなるスキルアップやキャリア向上を図るためであれば、その後の働き方にも良い影響を与えることでしょう。
いずれにしても、上記で述べたことと同様、将来は自分がどうなりたいのか(美容師として頑張るのか、それ以外か)を、環境を変える段階で明確にしておかなければならないのです。
美容師のスキルは転職にも生かせる
美容師という仕事は、美容師になるためだけに特化した教育が基になっているから、つぶしがきかない…という声もありますが、まったく違います。
美容師は、他の仕事・異業種への応用がかなり利く仕事なのです(もちろん、美容師を辞めるまでの期間にそれなりの実績を積み上げたことは前提となりますが)。
美容師からの転職例:美容ディーラー
美容院やサロンなどを回って、商品を店舗で販売してもらうために説明やプレゼンをする仕事です。サロンの営業時間後などに、商品説明会やプレゼンなどを行い、実際にスタッフに体感してもらうこともあります。
経験を積んでくると、サロンの経営計画や教育などに関する提案も行うようになります。元美容師という経験が生きる仕事で、美容師経験者も大勢転職しています。
美容師からの転職例:営業
カットやスタイリングをしながらお客様と会話するのも美容師としての仕事。そこで磨いた接客技術、コミュニケーションスキルは、営業という仕事全般で活用できます。
一見さんから常連さんまで、多種多様な相手に対して、ストレスを与えずに話を進めるには、それなりの技術が必要。しかし多くの営業社員は、商品知識などは教育されるものの、細かな営業方法・接客手法などは個人レベルで実践しながら学ぶことが多いのです。
その点、美容師経験のある人なら、スタートからアドバンテージを持って活躍できる可能性は高いでしょう。
美容師からの転職例:アパレル販売
接客するという点で、美容師とアパレル販売員は共通項があります。ただその接客スキルこそが、アパレルにとっては命とも言えるポイントになるのです。
髪を切るのと、洋服を販売するのは違います。ただし、相手に心地よくなってもらい、サービスや商品に満足してもらうという点において、接客要素が果たす役割はかなりのもの。美容師としてのスキルは、必ず生かせることになります。
お客様との会話の中で、一見商品とは関係のない話(たとえば髪の上手な手入れ方法、洋服に合わせるヘアアレンジなど)でファンづくりを行うことも可能です。元美容師としての個性で、売上をアップさせることもできるのです。
美容師からの転職例:ネイリスト
ネイリストになるには新しい専門知識や技術の習得が必要になりますが、それ自体が美容師としての経験を生かせるものになります。
美容全体への興味や関心、「美」をつくりあげるための技術、手先の器用さなど、生かせる部分を上手に活用できれば、ネイリストとして一人前になるのも早いでしょう。
またネイリストも、固定ファンがつきやすい仕事です。美容師としての知識や経験をプラスしてコミュニケーションすれば、他の人とは一味ちがう個性を打ち出すことができますよ。
美容師からの転職例:エステティシャン
頭皮のマッサージなどヘアケア関連のエステ施術から入り、全身の施術を覚えることになりますが、美容関連の仕事をしてきた人にとっては前職が充分に生かせる仕事です。
エステティシャン自体も体力的にはハードな面もありますが、「美しくなりたい」「いつまでも若くありたい」と願う人が増えているだけに、市場としては魅力です。
将来独立することも充分に可能な仕事です。
美容師からの転職例:ヘアメイク、スタイリスト
撮影スタジオや結婚式場に正社員として雇用されるヘアメイクは、元美容師としてのスキルが目一杯生かせる仕事です。仕事は安定していて、働く時間も美容師時代よりもずいぶん少なくてすむでしょう。
フリーランスのヘアメイク、スタイリストとしてスタジオや式場と契約するという方法もあります。
美容師からの転職例:かつらメーカー
少し間口は狭くなりますが、髪に関する知識や技術を生かして、かつらを扱うメーカーやディーラーに転職するのも有利になります。
男性向けの本格的かつらはやや市場が伸び悩んでいますが、代わりに女性用ウィッグや医療用など、より幅広いマーケットで需要が広がりつつあります。
美容師とは異なる方面からの髪へのアプローチで、今までに培った経験を基礎に大きくステップアップできるでしょう。
美容師からの転職例:美容学校の講師
美容師としての実践経験、美容師になるために学んだ時の悩みや問題解決策など、これまでのすべての経験を生かせる仕事です。
美容師を志望する学生は依然として多いので、安定した仕事であるのも確かです。
美容師からの転職は早めの見切りが重要
お店を替わって解決できる問題ではなく、美容師の仕事自体がもう続けられない…という方は、早めに見切りをつけた方が、今後の人生のためにはベターな方法です。
なぜなら、美容師以外の職に就くとなると、上記で紹介した各仕事などもあるとはいえ、一度仕切り直した上でのキャリアチェンジとなるからです。
異業種への転職は、早めに決断することがポイント。ある程度年齢を重ねてしまっては、見えない壁(本来はあってはいけない年齢制限)に阻まれてしまうこともあるからです。
どの企業も、経験のない素人を採用するには勇気がいります。また転職希望者本人も、経験がないならそれなりの準備や対策をしていなければ、話になりません。
ただ、少なくとも美容師として働いた社会人経験は、ちゃんとした武器にもなり得ます。それをどう生かすかは、やはり転職のプロに相談してみることが最も手堅く、スムーズなやり方。
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転職エージェントについて、こちらの記事も参考にしてください。