転職をして初めてとなるボーナス。正社員としての採用なら、その時期を待ち遠しく思う人も多いでしょう。
ただ、あまり具体的な内容を知らないままボーナス時期まで過ごしてしまう人も、意外と多いのです。
実は、転職1年目で初めてもらうボーナスは、満額支給ではない場合がほとんどです。
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転職後の最初のボーナスが満額でない理由
一般的にボーナスは賞与・一時金とも言われる通り、その会社の業績によって金額調整されるものです。
また対象となる期間も設定されています。たとえば年に2回支給される場合は、「支給時期までの半年間(6ヶ月)に社員として在籍していること」などが条件となっているケースもあります。
転職した社員は算定期間に満たないため、満額からある程度マイナスされた金額を支給、となる場合が多いようです。
この「ある程度」は会社によって異なるため、一概にいくらとは言えないのです。
もう一つのケースは、算定期間が不足している中途入社の社員全員に一定の額を支給するケースです。
その場合は「寸志」という形で、もちろんボーナス満額より少ない金額が、対象者全員に一律で支給されます。
いわゆる「一寸(ちょっとの)」「こころざし」ですので、あまり期待はできません。
ボーナス支給額の一例
筆者の場合で恐縮ですが、実際のボーナス支給は以下のようになりました。一つの例として挙げておきます。
4月入社、6月に「寸志」として8万円。12月は満額支給。
新卒で入社したのは大手SIerのグループ会社で、初任給が17万円ほどの頃でした(ちなみに現在の同社初任給は21万円ほどのようです)。
4月転職、6月に満額の5割を支給。12月は満額支給。
最初の転職先では中途入社組の最初のボーナスは半額、という社内規定だった記憶があります。
10月転職、翌年6月に実績に応じた金額を支給。
2度目の転職先はボーナスは年に1回。6月が決算月で、1年間の会社業績と個人実績に応じたものでした。
この会社でのボーナス(2年目以降)が、私にとって最も高額なものとなりました。
年代も違い、参考にはならないでしょうが、ボーナス支給にも様々なケースがあるという例です。
「賞与」は法律で決められていない
ボーナス(賞与)について、「これだけ支払うこと」などといった法律はありません。
労働基準法や労働契約法などの法令で、賞与を義務づけているわけではないのです(民間の場合)。
ではどうやって決められているのかというと、ほとんどの場合、その会社独自の規定や、経営者の裁量によって決められています。
会社の業績が著しく悪化した時などはボーナスが出ませんし、現物支給などといったケースもありうるのです。
ただ、会社の就業規則にボーナスの算定期間や支給方法などが示されている場合は、その内容や条件をしっかり把握しておく必要があります。
もし万が一条件通りの支給がされない場合は、会社(雇用主)と社員(雇用者・労働者)との労働契約が守られていないことになります。そのため、労働者である社員は規定のボーナスを会社側に請求する権利があるのです。
また、長い間ボーナスが支給されていることが労使慣行となっているなら、請求できるケースもあります。
いずれにしても、自分の会社の規定や自分との契約がどういった内容であるのかは、早々に知っておくに越したことはないでしょう。
新型コロナ禍のボーナス支給はどうなるか
前述しているとおり、会社の業績に左右されるのがボーナスです。ならば自分の会社はどうなるのか?と気が気でない方も多いことでしょう。
2021年夏のボーナスの傾向は、全体的には前年よりやや減少するようです。
調査では、コロナ禍でのマイナス影響を受けたという企業が半数を超えているとのこと。
業種別では鉄鋼がもっとも減少幅が大きいようです。これはコロナ禍に加え原材料価格の上昇も要因でした。
造船、自動車・部品も減少率は大きいのですが、自動車大手のT社は好況とのニュースもあり、同じ業種でも明暗が分かれている模様。
一方で食品や運輸(陸運)、電機の一部は前年を上回る予想です。巣ごもり需要にハマった業種は全体的に業績を伸ばしたのでしょう。
みなさんの会社では、この夏のボーナスはどんな様子でしょうか。
今後はワクチン接種の動向が今後の企業業績にもかなり影響を与えることと思います。
会社の経営や売上状況は、自社の頑張りや施策だけではどうしようもならない場合もあります。今回のコロナ禍などは特にそうでしょう。
今の会社をしっかりと支えることももちろん大事ですが、自分自身が生き残るための選択も誤らないように気をつけなければなりません。
ボーナスだけが将来の指標になるわけではありません。
ただ、とにかく「今」をどうにかやり過ごさなければならないのか、あるいは長期的な視野で最良と思われる道を選ぶのか、状況は人それぞれ違うでしょう。
自分自身がどう動くべきかを考える時に、ボーナスが大きな位置付けとなることは確かだと思います。
前の会社を辞める時のボーナスについて
転職でそれまで勤めていた会社を去るタイミングを、「ボーナスをもらってから」と決めている人は少なくないでしょう。
ただその際にも注意が必要です。
前で述べているように、ボーナスは「一時金」であり、会社独自の規定によって定められています。
ボーナスは算定期間内の働きに対するものであると同時に、「これから先もしっかり働いてもらいたい」といった会社側からの期待を含めたものでもあります。
これから会社を去ろうという人に、ずっと働き続ける社員同様のボーナスが支給されるかどうかは、会社によっても事情が異なってくるのです。
ここでも、会社の支払い規定を理解しておくことが重要です。
また、土壇場(辞める間際)になってボーナスをもらえる・もらえないで揉めないよう、前もって会社側と話し合うことも必要になってくるかもしれません。
大事なことは情報収集です。ひとりよがりで先走ることのないよう、注意しましょう。
転職面接では給料や賞与のことを聞きにくいなら
転職の面接の際に、自分の給料やボーナスについて事細かに質問するのは気が引ける…という人は多いでしょう。
あまりにもボーナスなどの条件や金額にこだわりすぎる様子を見せるのは、面接官に与える心象もマイナスに働く可能性が高そうです。
ただ、そういった賃金や賞与に関する悩みや疑問に関しては、転職エージェントを利用することで解決できます。
応募する会社との契約交渉は、転職エージェントに一任することができます。エージェントの担当者に希望をしっかりと伝えておけば、それを叶えるための条件交渉をしてもらえるのです。
転職後の待遇や給料・賞与について、自分一人ですべてをやり取りするのが不安なら、転職エージェントに依頼してしまうのが効率の良い方法になるのです。
転職エージェントについては、こちらの記事も参考にしてください。