現在派遣社員として働いていて、毎月の給料が少ない、将来が不安だ…と悩んでいるなら、今すぐに正社員への道を目指すべきです。
いきなり断言してしまってごめんなさい。ただ、心の底ではそう考えている人も多いのではないでしょうか。
本当は正社員がいいに決まっているのに、いろんな不安要素で立ち止まっているとしたら、その時間さえ非常にもったいないのです。
少しでも正社員採用への可能性が開けるよう、今やるべき事を解説していきます。
Contents
派遣社員から正社員への道はある!正社員化を進める企業を探せ
現代は人手不足の売り手市場。新卒の就活戦線では、企業側が少しでも見込みのある学生を確保しようと躍起になっています。
時代がわるく非正規の道しか残っていなかった世代は、そんな好況ぶりを指をくわえて見ているしかなかった…というのはこれまでの話。
脱・非正規のチャンスは、これまでになく広がっているのです。
実際に1000人以上の規模で非正規雇用から正社員化を実現させた主な企業は、以下の各社になります。
・高島屋
・Jフロントリテイリング
・日本航空
・日本生命
・イケアジャパン
・イオンリテール
大手ばかりじゃないか、と思う方も多いでしょうが、1000人に満たない規模での正社員化を進めている企業は数多くありますし、中小企業でもそうした流れは着実に根付きつつあります。
企業が正社員化を推し進める背景には、空前の人手不足という事情があります。
人口減少・少子高齢化の進む現代では、労働者人口もどんどん減少していきます。今後数十年単位で見ると、会社の売り上げは良くても社員が確保できずに倒産する「人手不足倒産」というケースは一層増加するだろうと言われています。
人材確保こそが、企業が生き残るための武器となっているのです。
そのために、今いる非正規社員を正社員登用することで繋ぎ止め、且つ待遇改善などモチベーションアップに力を入れている企業が増えているのです。
…という流れがあるのは事実ですが、実はそうした正社員化を進めている「業界」は2極化しています。
進めているのは、流通・小売・サービス業など。
一方で、まだ動きの少ないのは、銀行・マスコミ・メーカーなどといった業界です。
要するに、依然人を採用しやすい業界はまだ正社員化の流れは鈍く、離職者が多くすでに人手不足が叫ばれている業界がどんどん正社員化に注力しているということ。
もしもあなたが今働いている会社が、人手不足に該当する会社・業界であれば、このチャンスを逃す手はありません。
仮に正社員化の話が出ていなくても、上層部は人材確保への道を模索している可能性は大です。上司に相談したり、自らアピールするなどして、積極的に動いてみる価値はあるでしょう。
また運悪くそうした話題がない、非正規のままでいる可能性が高い会社・業界に在籍中の人は、思い切った行動を起こすタイミングかもしれません。
景気や世界情勢などはまったく不安定であり、今のこの状況が数年後にはどうなるかは、誰にもわかりません。
大きな機会を知っていながら見過ごしてしまうのは、あまりにも無策だと言えるからです。
雇い止めの相談が急増している
2018年4月を前にして、有期契約労働者の解雇や契約更新を拒否されるといった問題が、いくつも表面化しています。
2013年4月に施行された有期契約労働者の「無期転換ルール」。そのルールが本格適用されるタイミングが、施行から5年後の2018年4月となるため、無期転換を回避したい企業が、解雇や業務委託に切り替えるといった悪質な方法を取るところが出てきているのです。
そもそも無期転換ルールとは、契約期間が通算5年を超えた有期契約労働者が、定年まで働くことのできる無期契約に転換できるという制度です。
誰でも5年働けば、有期契約から無期契約、つまり正社員として採用される…という理想論と同時に、こうした雇い止めへの懸念はありました。
日本労働弁護団によると、2018年2月の段階で750件を超える雇い止めなどの電話相談があったとのこと。
登録型の派遣社員の方々は、そうした弱い立場にいます。望む働き方が叶わなくなってしまう前に、何らかの手段を取ることを考えておくべきと言えます。
20代は正攻法で正社員を目指せる
今あなたが20代、それも25歳前後の年齢であれば、正社員になるのはそれほど難しいことではありません。
25歳は第二新卒世代として扱われ、現代の最強の正社員採用カードである「新卒」という条件がかろうじて使える世代です。
逆に言えば、25歳を過ぎた派遣社員の方は、だんだんと可能性が少なくなっていくのです。
年齢のことだけを言っているようですが、多くの企業は、20代の若手社員は育成することを第一の目標として雇用します。
若手のうちにしっかりと自社での働き方や業界ノウハウを身につけて、数年後にようやく会社に貢献してもらうことを念頭に、教育していくのです。
ただこうしたケースも、正社員のみが対象です。派遣や非正規の従業員は、今目の前にある仕事をこなすことだけを求められ、「育てる」という意識は企業側にはありません。
できることなら20代のうちに、正社員へのステップを実現させることが、不安定な人生から抜け出す重要な一歩となるのです。
そのためには、できるだけ多くの採用試験にチャレンジしてみることです。
今できることよりも、将来どういう人材になりたいかを、目指す企業ごとに導き出してアピールしましょう。
25歳であれば、その若さを最強の武器として正社員採用の扉をこじ開けることができるはずです。
30代からは厳しい状況を乗り越える覚悟が必要
30代で派遣社員を続けている人は、極論すると、10年以上のキャリアを放棄してきたとみなされることもあります。
同世代の正社員と比較すればわかりやすいかもしれません。今任されている仕事の質、量、責任など、あらゆる部分で大きな差があることでしょう。
その差をひっくり返すのは並大抵なことではありません。
しかし、正社員への道がまったくないわけでもありません。
少ない可能性を最大化できるよう、考えるべき対策はいくつかあります。
派遣先での正社員登用を突破する
派遣法が改正されて、かいつまんで説明すると、派遣社員は同じ職場で3年以上は働けなくなりました。
派遣先の会社が、3年を超えてももっと働いてほしい、と願うなら、直接雇用を申し込まなければなりません。
多くの人は、この改正法が雇い止めを加速させる悪法だと言っています。しかし、直接雇用の可能性が開けたことも事実です。
もし正社員になりたいと心底から願うのであれば、この直接雇用をなんとしてでも勝ち取ることにこだわるべきです。
派遣先の会社に、もっといてほしい、うちに正社員として残ってほしいと思わせるしかないのです。
そうなるために行うべきことは、日々の積み重ねに他なりません。3年間のあいだ、必死で仕事をこなし、社内で存在感を発揮すること。それは「仕事ができる」「仕事が速い」「派遣なのに頼ってしまう」といった業務面だけでなく、「社内が明るくなる」「皆に慕われている」などの人柄面でも認められることが重要なポイントです。
私はそういうタイプではないから…という引っ込み思案な人には未来はないと思っていいでしょう。
選り好みして、楽な道を選んでしまっては、この先も同じような境遇で生きるしかないのです。
一般の中途採用を突破する
今の派遣先ではない、まったく別の企業への中途採用試験を受け、正社員になる道です。派遣先での正社員登用と比べても、はるかに可能性が低くなります。
ずっと30代まで派遣で生きてきた人を、正社員として雇おうという企業は、通常ならあり得ません。
それでも、今の会社ではないところで、きちっと安定した身分として働きたいと切望するなら、相応の武器を用意しておく必要があります。
武器とは、その企業にマッチする資格や技術です。資格は国家試験などがあるのでわかりやすいですが、取得のためには年単位の努力が必須です。また、素人が簡単に受かるような資格では役に立ちません。
また技術を磨くといっても、派遣の仕事でできることは限られています。少なくとも現在の働き先で、正社員と同じレベルの仕事をしていることが最低条件となります。「身分は派遣だったけど、実務は決して正社員に負けていなかった」と自信を持って言える程度の技術があれば、突破口は開けるかもしれません。
派遣社員こそ頼れるパートナーは必須です
正社員登用という狭き道をくぐり抜けるには、正確で使える情報をしっかりと入手しなければ話になりません。
ただ単に、自宅のパソコンやスマホで求人情報を眺めているだけでは、正社員にはなれないのです。
今できることは、自分一人でわけもわからず無駄な転職活動をするのではなく、とにかく効率的に、リアルな採用への道筋が描ける活動をするべきなのです。
そうは言っても、よくわからないよ…という人は、まずはとにかく、転職エージェントに登録して、担当の人といろんな話をすることです。
頭の中を整理して、今やるべきことを理解し、そして自分の武器は何なのか、その武器を最大活用できる会社はどこか、といったストーリーを、エージェントの担当者と一緒になってつくっていくのです。
転職エージェントについて、こちらの記事も参考にしてください。