世の中に楽な仕事なんてない。みんな汗水垂らして頑張って働いている。
などと本気で考えている人は、ブラック企業で多く見かけるタイプです。
目の前にある仕事をこなすことに手一杯で、周りを見る余裕や知恵が足りないタイプ、とも言えます。
一見いつも気楽に、簡単に仕事をしているように見える人は、「楽に働ける方法」「簡単に仕事がこなせて稼げる方法」を、死ぬ気で考え抜き、実践できている人なのです。
…などと言うと、本当に楽な仕事をしている人は、PDCAを効率良く回せる一握りのエリートに思えてしまいますね。
しかし、世の中には、それほど厳しい労働条件でもないのに、誰でもそこそこ稼げる仕事というのも確かに存在しています。
今回は、基本的に誰でもできる簡単な業務で、ストレスもさほどない、かつ正社員登用の道がある仕事を紹介します。
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楽な仕事と評判の【ビルメン】。転職のポイントは会社選び
通称ビルメン。ビルメンテナンスの仕事は、その名の通りビルやマンション、商業施設、ホテルや病院などの設備管理を主として行う仕事です。
仕事内容を簡単に説明すると、
・エレベーターや照明など電力設備の管理、点検、調整
・空調設備の管理、点検、調整
どれも管理や調整ですが、基本的にトラブルがなければすぐに終わってしまう作業が多いです。
定期点検は決められた時期に行う必要があり、かつ施設の数は年々増えているので、仕事がなくなる(=リストラ)の心配はほぼありません。
基本的に若手が少ない業界なので、20代・30代(30代でも若手!)のうちにビルメンに就いておくと、長く勤めることができて非常に安定した生活が送れます。
ただ、入社する会社によって、仕事内容(扱う施設など)や待遇に大きな差があります。
狙い目は、「系列系」と呼ばれる会社です。系列系とは、大手企業のグループ会社や子会社となるビルメン会社のこと。
ただ系列系は大手だけあって、未経験者には敷居が高いとも言われています。
その場合は、まずは「独立系」である程度実績をつくり、系列系へとキャリアアップする方法があります。
独立系とは、親会社を持たない会社。独立系といっても、すべてが系列系より待遇が低かったり、激務ということはありません。仕事内容に関しては、独立系の方が楽であるという評判も多いです。
よくあるケースでは、まずは独立系に入ってのんびりと(と言うと語弊がありますが…)仕事を覚え、いくつかの資格を取って、系列系へと転職するパターン。
ビルメンに関してはこちらの記事を参考にしてください。
【安定していて長く勤められる!ビルメンへの転職は未経験者でも可能なの?】
狭き門だけど挑戦しがいのある【大学職員】
大学職員は、大学の運営や教授方の研究・講義を支える様々なサポートが主な仕事です。大学で学生相手に何かを教えるわけではありません。
仕事内容は以下のようになります。
・大学の経理・事務・総務の仕事
・大学入試の運営など入試全般業務
・教授の研究活動のサポート
・高校への進路説明やセミナー実施など
比較的幅広い業務になりますが、それぞれ専門の部署で担当することが多いため、大学独自の研究支援などの他は、やることは普通の会社とそう変わりません。
基本的には公務員並みに安定した職場で、おだやかに働ける環境です。大きな会議などが開催される際はそれなりに忙しくなりますが、それも一瞬です。
大学職員は、20代から60代まで幅広い世代の人が働いています。私学系では、その大学の卒業生がやはり多く、派閥ができたりしています。大学派閥は出世に影響することがあります。
働く場所が大学内という環境のせいもあるでしょうが、落ち着いて仕事ができ、職員の定着率も高いです。そのため、退職者を補充する正社員(転職者)採用というのも定年退職者が出た場合がほとんど。転職を狙う場合はそのタイミングも注意深くチェックする必要があります。
ポイントは、やはり有名大学を狙うこと。特に有名私大は収入も段違いで、地方のあまり有名でない大学・学生が集まらず経営不振の大学と比べると、同年代でも2倍以上の格差が出てきます。
参考までに、有名私大の40代後半から50歳前後の平均年収例はこんな感じ。
・慶應義塾大学:約950万円
・明治大学:約1200万円
・中央大学:約1200万円
・関西大学:約1200万円
・同志社大学:約1100万円
・立命館大学:約1000万円
・関西学院大学:約1000万円
大学職員は、正社員も多いですが、派遣社員もそれなりに採用しています。派遣社員で優秀な人は、正規職員(正社員)として採用されるケースも多く、一つの狙い目コースであると言えます。
大学職員は女性も狙い目の仕事です
転職をめざす女性の方で、楽な仕事を望んでいるのなら、大学職員はチャンスがあれば絶対に応募したい案件です。
仕事自体は事務仕事がほとんどなため、女性でも支障なく働けます。
また、来客の接待(営業的な接待ではなく、呈茶や案内など)や教授たちの補助的な仕事もあって、女性の方が重宝される場面も多いのです。
上記のように最初は派遣社員として採用され、しっかりと仕事をこなして正社員(正職員)へと昇っていくルートもあるので、常にアンテナを張っておきましょう。
老舗企業や独占市場のある【ルート営業】は外せない
営業というとノルマのある仕事の筆頭格で、ブラックな激務である場合が多く、経験者でも別の職種に変わりたいという人は少なくありません。
しかし、「何を営業するか」「どう営業するか」によって、これほど差が出る職種も他にありません。
つまり、「新規開拓しなくても売れる商材がある」「独占・寡占していて安定的に売り上げが見込める」という営業であれば、この上なく楽な仕事になるのです。
営業マンは、同じ会社内でも売り上げ競争があることが多く、社内外問わず常にお金のことを考えることが多いため、肉体的にも精神的にも追い詰められてしまうケースが多いです。
しかし、上記のような安定した営業スタイルのルート営業であれば、そうしたストレスとは無縁であり、残業もごくごく少なくてすみます。
また営業である以上、他の事務職よりも高めの給料であることが多く、収入・待遇面でも恵まれています。
あえてデメリットを挙げるとすれば、毎日が同じようなパターンになるので飽きる、ということくらいでしょうか。しかしルート営業でも新しい切り口や販売企画に取り組むことで売り上げを伸ばせることもあるため、現在のやり方をベースにしつつ、新しいチャレンジをすることも可能です。失敗のリスクがないので、心置きなく様々な挑戦ができるのです。
ルート営業に似た営業スタイルで、代理店営業もあります。こちらも、基本的にはノルマや新規開拓がない働き方で、人気の仕事です。
代理店営業については、こちらの記事に詳しく記載しています。ぜひご覧ください。
【代理店営業への転職を成功させたい人へ。楽な仕事というけど本当なの?】
転職しやすさなら【ルート配送ドライバー】という道もあり
運転免許さえあれば、特に資格や学歴、特殊な技能などがいらない仕事が配送ドライバーです。
物流業界(特にドライバー)は人手不足のため、求人募集が多いことも今の時代の特徴です。
ドライバーという仕事に興味があるなら、良さそうな会社をチェックしてみるべきでしょう。
物流や配送の仕事は、一般的なイメージではきつい・きたないといったマイナスの印象で捉えられがちですが、実はそうではない仕事も少なくありません。
中でもルート配送の仕事は、比較的軽めの作業ですませられるケースもあります。
ルート配送の場合、運転するのは、拠点(自社の配送センターなど)と決められた取引先の間を行き来することになります。
知らない道を走るめんどくささや、毎回初対面の担当者と関わるストレスなどは、ほとんどありません。
さらに、取り扱う貨物が同じものであれば、仕事をしていくうちにどんどん勝手がわかっていき、より安全に効率的に(楽に)運べるようになっていきます。
ルート配送のメリットは、まさにこういった「変化の少ない点」です。反対に、毎日決まった仕事をするのが苦痛な人は合わないかもしれませんが、日々のルーチンを受け入れられる人であれば、天職とも呼べる仕事になり得ます。
貨物によっては、重いものの積み下ろしとかが大変そう…と思うかもしれませんが、最近では女性ドライバーも増えており、やみくもな力仕事が必須のケースばかりではありません。仕事の大変さ・気楽さは、まさしく会社選びと直結することになるのです。
ドライバーの仕事を選ぶ場合は、ルート配送を行っている会社をチェックしてみるといいでしょう。
ルート配送ドライバーについては、こちらの記事にも詳しく書いています。ぜひご覧ください。
【ルート配送ドライバーは楽な仕事?売り手市場だから転職のポイントは会社選びです】
【注意!】暇そうで楽に思えるけど実は大変な仕事
世間一般ではとても楽そうに思えるけれど、実際には非常に厳しい働き方を強いられている。そんな仕事も少なくありません。
一例を挙げてみます。
公務員
9時5時で終わる。安定していて一生安泰。そんなイメージが根強い公務員ですが、今の時代はそんなラッキーな職場ばかりではありません。
公務員の職種によっても大きく働き方は変わりますが、教職員やキャリア官僚などは労働時間の長さはブラック企業並み。
また若くて能力の高い人ほど仕事が集中してしまう傾向も見受けられる。
待遇は良く、安定しているとはいえ、ハードワークと天秤にかければ「楽」か「厳しい」かどちらに傾くかは微妙なところ。
クレームやトラブル対応の多さ、職場内での人間関係の悩みなど、本業以外の部分でのストレスが多いのも特徴です。
工場などの軽作業担当
工場のライン作業や倉庫内でのピックアップ業務など軽作業は、誰でもできる単純労働である場合がほとんど。
それなりの企業なら、年間通して過ごしやすい快適な現場で、目の前の仕事をこなすだけという毎日です。
やりがいを感じたりスキルやキャリアアップは望めませんが、一定の収入が計算できる仕事ではあります。
ただ正社員になることは意外と狭き門だったり、今は正社員でも近い将来は仕事がなくなる可能性もあります。
肉体的には気楽ですが、その気楽さがこの先も続くとは限らないという現実を理解しておくべきでしょう。
事務職
企業の一般事務職は、こまごました業務はいろいろあるものの、あまり頭を使う必要のない気楽な仕事と言えるでしょう。
ただ、一般事務職を正社員として雇っている企業は意外と多くなく、今いる人の退職を機にそれからは派遣社員に変わるケースも珍しくありません。
事務の仕事も、基本的には未経験者でも務まるものであり、替えがきく仕事の代名詞だからです。
一般事務職の正社員ポストは、大手や優良企業であることが多く、転職のハードルは高くなります。つまり、そこに就くまでが大変なのです。
大企業に入れるだけの人間的スキルを備えた人なら、一度就いてしまえば本当に楽に働けることでしょう。
その他
他にも、一般的に楽な仕事はいくつもありますが、多くはパートや非正規雇用になります。
例:マンション管理人・清掃員・警備員・医療事務など
「楽で」「暇で」「正社員で」「稼げる」仕事となると、本当に計画的に効率良く探さなければ見つからない、採用されないというのが実際のところです。
だからこそ、少ないチャンスを逃さないための戦略が必要なのです。
楽な仕事に正社員として転職したいなら、転職エージェントを最大活用すべき
楽な仕事。暇で稼げる正社員。上記でも書いているように、そういった仕事は確かにあるもののチャンスは多くなく、また捉え方は人それぞれとも言えます。
今までブラック企業で長時間残業やパワハラ・セクハラの嵐に耐えてきた人は、ホワイト企業に転職できればとても楽で幸せな職場だと感じるでしょう。
激務やストレスで毎日心も体もヘトヘトになっている人ほど、少しでも環境が良くなることで、「楽だな〜」と実感できるはずです。
転職は、悩み多き今の環境を変えるための一つの大きなステップ。自分一人の力で挑むことが不安なら、転職のプロ=転職エージェントと二人三脚で取り組んでいきましょう。
転職エージェントについて、こちらの記事も参考にしてください。