営業の仕事は好きだけど、自分に向いている営業スタイルはどんなものだろう?
今は飛び込みばかりだけど、営業として、もっと違うやり方で頑張ってみたい…
営業の仕事をしている人でも、今のやり方に疑問や不満を抱えていたり、さらにステップアップしたいと考えている人は多いと思います。
そんな時に選択肢として挙がるのが、代理店営業という働き方。
飛び込みよりはうんと楽だ、というイメージがある一方で、代理店に営業するって実際どういう仕事なの?と疑問を持つ人もいるでしょう。
今回は、代理店営業の紹介とともに、代理店営業で成果を上げる方法について解説していきます。
代理店営業とはこんな仕事
代理店営業とは、自社のサービスや製品を売ってもらうための「販売代理店」を新規で開拓したり、既存の販売代理店に対して営業フォローや販売支援を行う仕事です。保険・金融業界や、IT業界で頻繁に採用されている営業システムです。
代理店営業が相手にするのは、顧客となる法人や個人(エンドユーザー)ではなく、販売を代行してくれる代理店です。代理店と言っても、会社として請け負っているところから個人で営業している人まで、スタイルは様々です。
代理店営業は、それらの販売代理店さんたちがよりスムーズに、より多くの製品・サービスを売ってくれるように、あらゆる方面からの販売支援策を講じていくことになります。
代理店営業は気楽という噂?
営業スタイルの違いで分けると、法人・個人への飛び込み営業よりも、ルート営業に近い代理店営業は気が楽だ、と言われますが果たして本当でしょうか。
実際は、それぞれの営業スタイルごとにメリットやデメリットはあり、一概にこちらの方が気楽だ・簡単だとは言えません。
一般的に、代理店営業は多くの販売代理店を担当しています。一人で数十店を抱えている人も珍しくありません。それら代理店への新製品説明や教育、営業サポート、代理店からの問い合わせやクレーム対応、イベント企画提案などをフレキシブルに実施していく必要があり、すべての代理店を相手にそうした業務をこなしていくことは非常に過酷です。
新規の代理店獲得するとなると、さらに手間もコストも割くことになります。いかに自分のリソースをうまく配分してくかが、代理店営業には必須のスキルとなるのです。
世間一般で言われているような、「飛び込み営業のようなストレスも体育会系的なノリもない分、代理店営業は楽でいいね」といった論調は、実情をあまり知らない人の能天気なセリフと言えるでしょう。
代理店営業はコンサル思考が必要
どちらかというと、代理店営業は「営業」という仕事ではありますが、コンサルティングやマネジメントの要素がより求められる仕事です。
自分たちに代わって多くのエンドユーザーに製品・サービスを販売してもらうのですから、誰にもある程度は応用できるようなシステマティックな営業フローや施策が必要です。また同じように指導・教育してもうまくいくところといかないところが出てくるので、ダメな代理店には一層きめ細かなフォローをしつつ、いかに効率良く製品をさばいてもらえるかを身につけさせなければなりません。
また、販売代理店は自社製品を持たないので、いろんな会社の製品を売っていることもあります。自社のライバル会社の製品を、同じように営業することもあるのです。その場合は、より自社製品を優先させるためのインセンティブや、売りやすい販売促進サポート(ツールやイベントなど)、代理店の取り分である販売手数料の柔軟な対応など、あの手この手で競合との差別化を図っていくことが重要です。
代理店営業とは、日々こうした営業施策のPDCAを回し続け、代理店が全力で営業活動を行えるように管理・支援し続ける仕事なのです。
販売代理店とのいい関係を築くには
普通に考えると、製品やサービスを卸してあげる方が、それらの営業を請け負う販売代理店よりも立場は上である気がします。
しかし実際は、「物を売っている最前線」である販売代理店の発言力・影響力は侮れないものがあります。自社製品よりも他社の製品に力を入れてもらっては困るので、その点でもあまり無理強いはできないあたりが辛いところ。
極端な話、代理店のキーマンに嫌われない、好かれるようにしておくことも非常に重要です。コンサル要素や営業支援サポートの充実と同時に、人情的な部分での取り込みも必須というあたり、代理店営業もやはり「日本的なコミュニケーションにならった営業スタイル」を踏まえるべきなのでしょう。
先ほども述べたように、代理店の中には個人で登録している人も大勢います。保険代行などを請け負っている人は、若手の代理店営業よりもはるかに長いキャリアを持ち、製品知識や業界情報にも精通しているおじさん・おばさんは珍しくありません。そういった人たちといい関係づくりをするには、会社対会社である一方で、やはり人間同士の付き合いであることを意識せざるを得ません。
真剣に取り組んでいる様子をわかってもらえれば、相手もしっかり応えようと意欲を出してくれます。馴れ合いになるわけではありませんが、一線を引くべきところと、少しばかりは頼ってしまうところ、その頃合いを見計らってバランスを保つことで、まずは自分なりの営業スタンスが確保できる。そうした関係構築が、代理店営業としての基礎を固めることにもつながるのです。
代理店営業への転職を成功させるには
ユーザーに直接売るのでなく、代理店に卸す、という営業であるため、その製品やサービスに価値があるほど仕事は楽になります。他社との差別化が明確で、販売代理店も積極的にこれを売りたい!売れるものをもっと卸してほしい!となれば、売上アップも良好な関係構築も簡単にできることでしょう。
まずは、製品自体に力のある企業を探すところからはじめましょう。そのためには、世に出ている情報だけでなく、シークレットな情報にまで目を通しておきたいところ。
一人で充分な情報収集ができない場合は、転職エージェントの活用を検討しましょう。エージェントは独自の非公開案件を大量に持っているため、これを利用しない手はありません。
転職エージェントについて、こちらの記事も参考にしてください。