中堅メーカーで営業としての経験を積み上げ、それなりに実績もできて、どこの会社でもやれる自信がついた。
キャリアアップと年収アップを狙って、今よりも大手のメーカーへの営業へと転職したい。
ただ、会社が変われば営業スタイルも変わります。お客さんが変わることで、覚えるべき知識も変わってきます。
まして会社の規模が大きくなると、いろいろな苦労も増えてくることも。
営業としてのキャリアアップ転職に伴ういくつかのポイントについて解説します。
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自信は一度はへし折られるものと考える
「俺はこれだけの実績を上げてきたんだ」
「どこの会社でも俺なりのやり方を通せば必ずできる」
そういった強い自信を持って、新しいステージである仕事に臨む方もたくさんいるでしょう。
ただ、その自信が木っ端微塵に砕かれることも珍しくはない、という事実を想定している人は少ないと思われます。
うわべだけの根拠のない自信ではないのです。前職できっちりと成果を上げて実績に基づく確固たる自信があるはずなのに、うまくいかない、受注できない、という例はいくらでもあります。
最初は「お手並み拝見」とばかり、周りもあなたの様子をそっと観察しているだけかもしれません。そんな視線がプレッシャーとなり、空回りしたり悪循環にはまってしまうことも…
大事なことは、今までのやり方にあまりにも固執しすぎないこと。これまでうまくいっていた手法や考え方も、場所や環境が変われば変化せざるをえないことは往々にしてあります。
最初にうまくいかなかったからといって絶望することはありません。むしろ周囲は、落ち込むあなたの様子を確認してはじめて、自分たちの仲間だと認識してくれたりもします。転職組の実力やキャラクターについて、プロパーの社員でも測りかねていることが多く、うまくいかなくても「生身」の姿を見られることで安心することもあるのです。
転職先では新しい営業スタイルを求められることもある
営業の経験者として採用された時、求められているのは当然成果を上げることです。
ただ、そこには「新しく入社した会社なりのやり方で」という注釈が付いてくることになります。
前職の営業スタイルや人脈が、転職先でも生かせるのであれば問題ありませんが、新会社の文化や手法にそぐわない時は成果を出しても評価につながらないことがあります。
「仕事が取れればなんでもアリ」という会社もありますが、大手になればなるほど、NG分野となる手法、競合との住み分けなど、明文化はされていないものの踏襲すべき営業ガイドラインがあるのです。
そのあたりは入社して中の人になってからでなければわからない部分も多いため、最初はとまどう人も多いでしょう。
自分の営業スタイルはこれしかない!と極めすぎてしまった人には厳しいかもしれません。前職までの経験はあくまで自分の下地であり、新しい環境では柔軟で臨機応変な対応を取れることも、営業として生き残っていくスキルの一つであると言えます。
メーカーの場合は、顧客が問屋や卸や商社なのか、小売チェーンなのか、toCまで見据えるのかどうかでまったく営業スタイルが変わってきます。
大手メーカーともなれば、売上の規模も中小メーカーとは桁が違うことも多々あり、それをこなした実績がない時はあからさまに足元を見られることもありえます。
一つひとつが新たな経験になっていくことを自覚して、これまでのキャリアにあぐらをかかないでいることが大切です。
企業文化を侮ってはいけない
大企業など長い歴史を持つ会社には、独特の価値観、慣習、しきたりなどの「企業文化」を持っているところが多々あります。働いていく毎日の中で実感していくことになる企業文化を軽視してはいけません。
転職組にとってのそれは「違和感」のように思えてしまうこともあるかもしれません。中にいる人にとっては当たり前でも、外部の人や新しく入ってきた人にすればある種風変わりだったり、独特に思えることです。
企業文化というと大くくりすぎる感もあるので、言い換えるとすると「その会社独特の働き方・考え方」となります。
たとえば、「仮に自社が損をしてでも顧客満足を優先する」という企業文化のところでは、クライアントに何らかの無理をお願いすると(それが先方に了承されていたとしても)マイナス評価を下されてしまうことがあります。
「失敗しても挑戦することに意義がある」という企業文化の会社では、慎重に小さな実績を積み上げる人よりも失敗を重ねる人の方が評判が良かったりするケースもあるのです。
特にメーカーなどものづくりを行う会社は、営業にも作り手としての価値観やプライドを求められることが多くなります。大手メーカーに限らず、ものづくりへのこだわりが強い企業ほど文化を大切にする傾向がみられます。
まずは自分の肌でその会社の文化を知り、踏襲してみることからはじめるのが吉でしょう。
何かと風当たりの強い転職組は、まずは着実に自分の立ち位置を確保しておき、充分な足場を固めてから自分自身の個性を出していっても決して遅くはないのです。
最初の受注までのプレッシャーは半端ない
新しい会社での新しいスタイルを踏まえる必要はあるものの、あまりじっくりと構えているとマズイこともあります。
面接の場で、これまでの実績や成果をぶち上げてきた人ほど、転職先でも成果を上げることが当たり前のことと周りは見ています。それも、早い段階で仕事を取ってきて、「やっぱりデキる人だな」と思われることが理想です。
ただ、なかなかそうもいかないケースも珍しくありません。キャリアがあるとはいえ、1からのスタートであるのは確かなので、以前からいる社員とは初手から大きな差があります。それでも、そんなハンデのある環境でも他の同僚たちに負けない成績を上げていかなければならないのが、転職組の辛いところではあります。
求める人材にマッチしなければ通らない
一般的に、営業に向いているキャラクターというと、体育会系で物怖じせずにゴリゴリ押して押しまくるタイプがイメージされますが、必ずしもそういう人ばかりが求められるわけではありません。
お客様である担当者・責任者のふところに入り込むには、明るく堂々と攻めていくのがいいのか、繊細で慎重な方法でじょじょに距離をつめるのがいいのか、好まれるのは男性か女性か、相手の数だけ正解はあります。
営業部門の上司の人たちは、そういったタイプや持っているスキルについて、採用担当者に事細かく提示しています。今の営業で欲しいのはこういう人材、というのが決まっているケースでは、それにマッチしなければ採用に至らないことになります。
大量採用が行われる新規プロジェクトの立ち上げなどは別ですが、少数採用の場合はなかなか事前に判断しきれないことも多いため、たとえ不採用でも切り替えて次に挑むことが大切です。
キャリアアップ転職には転職エージェントを最大活用したい
中堅メーカーから大手メーカーへの転職は、想像しているよりもはるかに難しいケースがほとんどです。
自分の職務経験をまとめてみても、たとえば実績で書く数字(売上達成額やコスト削減額など)は、同じ仕事をしたとしても中堅と大手とではその差は歴然としています。
重要となるのは、そんな状況でもなんとかして「自分の売り」となるポイントを把握すること。どこをどうアピールすれば、自分の市場価値を認めてもらえるかを、客観的な視点で見つめなおすことです。
そのためには自分1人であれこれ考えていてもラチがあきません。忙しい毎日の中で、転職活動の効率化も非常に大切なものであるはずです。
そんな時こそ、転職のプロである転職エージェントを活用すべきです。自分自身がエージェントのいろいろなメリットを「利用する」くらいの考えでも全然OKです。
転職エージェントのスタッフ(キャリアアドバイザー)は、営業として積み重ねたあなたの経歴やスキルをしっかりと把握した上で、望む転職先の希望に沿った求人案件を、しっかりと提案してくれます。
自分一人で大手メーカーへ挑むよりも、はるかに効率的に、希望を実現できる可能性の高い会社を見つけ出すことも可能です。
まずは転職エージェントに登録して、じっくりと「自分」のことを話してみることをおすすめします。
転職エージェントについて、こちらの記事も参考にしてください。